2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規オレフィン系ポリマーの創製を可能とする高性能分子触媒の設計・創製
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06J07944
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
板垣 浩司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | チタン錯体触媒 / オレフィン重合 / 多置換オレフィン / ハーフメタロセン / 新規オレフィン系ポリマー / 1,1-2置換オレフィン |
Research Abstract |
本課題は、従来の遷移金属触媒による配位重合では達成できない、新しいオレフィン系ポリマーの創製を可能とする高性能触媒の設計。創製や合成したポリマーの特性解析に関する。特に今までの研究を通じて得られた知見を基に、エチレンと多置換オレフィンや極性オレフィンとの共重合を効率よく進行可能とする高性能錯体触媒の設計。創製、さらに得られた新規ポリマーの特性・物性解析を目的とする。平成18年度の成果は以下の通りである。 昨年度迄の結果に基づき、各種配位子上の異なるハーフメタロセン型チタン錯体触媒Cp'TiCl_2(L)を合成し、同錯体触媒ではじめて上記目的を達成したエチレンと1,1-2置換オレフィン(2-メチル-1-ペンテン)との共重合における触媒活性やモノマーの相対反応性への配位子効果を検討した。Cp^*TiCl_2(O-2,6-^iPrC_6H_3)触媒が最も効率よく共重合を進行させ、Cp^*配位子と2,6位に^iPr基を持つフェノキシ配位子の両方が上記共重合の進行および単一の触媒活性種の生成に不可欠であという有用な知見が得られた。 また、反応性の異なる2つのオレフィン(1置換及び3置換オレフィン)を分子内に有する7-メチル-1,6-オクタジエンとエチレンとの共重合を検討し、1置換オレフィンのみが選択的にポリマー主鎖に取り込まれた共重合体(不飽和ポリオレフィン)の合成を達成した。さらに、エチレン/1-オクテン共重合との結果の比較により、側鎖3置換オレフィンが得られる共重合体のミクロ構造・分子量に大きな影響を与えないことを明らかにした。(以上の結果を学術論文として投稿し、審査中である。) 極性官能基を有するオレフィンとの共重合を可能とするニッケル錯体触媒の設計・創製に着手している。
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Research Products
(2 results)