2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規オレフィン系ポリマーの創製を可能とする高性能分子触媒の設計・創製
Project/Area Number |
06J07944
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
板垣 浩司 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | チタン錯体触媒 / オレフィン重合 / 多置換オレフィン / ハーフメタロセン / 新規オレフィン系ポリマー / 1,1-2置換オレフィン |
Research Abstract |
本課題は、従来の遷移金属触媒による配位重合では達成できない、新しいオレフィン系ポリマーの創製を可能とする高性能触媒の設計・創製や合成したポリマーの特性解析に関する。特にこれまでの研究成果で得られた知見を基に、エチレンと多置換オレフィンや極性オレフィンとの共重合体を効率よく合成可能とする高性能錯体触媒の設計・創製や手法の開拓、さらに得られた新規ポリマーの特性・物性解析を目的とする。平成19年度の成果は以下の通りである。 (1)配位子の異なるハーフメタロセン型チタン錯体触媒Cp'TiCl_2(L)を用い、反応性の異なる2つのオレフィンを同一分子内に有する4-ビニルシクロヘキセンとエチレンとの共重合により、側鎖に不飽和結合を有する共重合体の合成、続く側鎖の極性官能基化を検討した。特にCpTiCl_2(N=C^tBu_2)錯体触媒が最も効率よく目的の共重合体を与えることを明らかにし、続く過酸化物による側鎖オレフィンの酸化により側鎖にエポキシ基を有するエチレン共重合体の精密合成に成功した。 (2)エチレンと多置換オレフィンとの共重合に有望な錯体触媒として各種フェノキシ配位子を有するトリスピラゾリルボラン(Tp)配位チタンジクロロ錯体、Tp'TiCl_2(O-2,6-R_2C_6H_3)[Tp'=Tp or Tp^<Me>,R=H,Me,iPr,Ph]の合成・単離条件を確立し、同錯体の同定及び単結晶X線構造解析による構造決定に成功した。今後触媒性能を評価する予定である。 (3)極性官能基を有するオレフィンとの直接共重合を可能とするニッケル錯体触媒の設計・合成・同定を検討している。
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Research Products
(4 results)