2006 Fiscal Year Annual Research Report
AAA タンパク質によるタンパク質アンフォールディングと脱凝集の分子機構の解析
Project/Area Number |
06J08040
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
錦織 伸吾 熊本大学, 発生医学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | AAAタンパク質 / アンフォールディング / タンパク質凝集 / ポリグルタミン / FtsH / p97 |
Research Abstract |
本研究では、神経変性疾患を引き起こすタンパク質ミスフォールディングや凝集形成に対する生体防御機構の解明を目標として、AAAタンパク質によるアンフォールディング作用および脱凝集・脱会合機構を明らかにすることを目的として研究を進めた。研究対象とするAAAタンパク質は線虫由来p97および大腸菌由来FtsH、ウニ由来kataninである。 線虫由来の2種類のp97(CDC-48.1およびCDC-48.2)をバキュロウィルス-昆虫細胞系で発現・精製した。CDC-48.1およびCDC-48.2は同程度のATPase活性を示し、ともに安定な6量体構造を形成した。線虫由来p97の凝集抑制作用を調べるため、ハンチントン舞踏病の原因タンパク質であるハンチンチンエキソン1(長いポリグルタミン配列含む)とGSTとの融合タンパク質を作製した。まずpull down assayによりp97はハンチンチンと直接相互作用することが明らかになった。また結合にはD1およびD2ドメインが重要な役割を果たしていると考えられた。さらにポリグルタミン凝集反応にp97を加え、濁度測定およびfilter trap assayにより凝集形成を追跡すると、明らかにポリグルタミンの凝集形成を遅延させることが分かった。また原子間力顕微鏡により凝集体の形態を調べたところ、p97を添加した場合には、線維状の凝集体がほとんど観察されなかったことから、p97は線維形成を特異的に抑制していることが示唆された。 また大腸菌由来FtsHに関して、アンフォールディング活性を生み出す構造特性を明らかにするため、高いアンフォールディング活性をもつFtsHをrandom mutagenesisにより作製し変異導入部位の解析から構造特性を明らかにすることを試みた。スクリーニング系を確立したので、今後スクリーニングを行う。
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Research Products
(2 results)