2006 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ性分化における生殖細胞の増殖・分化機構の解析
Project/Area Number |
06J08073
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白石 絵吏 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メダカ / 性分化 / 生殖細胞 / 増殖 |
Research Abstract |
メダカ性分化におけるMISの生理的機能は、生殖細胞の増殖であることをin vivo及びin vitro機能解析により証明した。そこで、次に受容体であるMISタイプ丑受容体(MISR II)の発現部位及び機能を解析した。 (1)MISR IIの発現解析 成魚における解析の結果、MISR II mRNAは雌雄の生殖腺で高く発現することを明らかにした。また、RT-PCR及びin situ hybridization解析により、MISR II mRNAは性分化前には発現しないが、性分化時期においては雌雄の生殖腺で発現し、その発現は遺伝的雄より遺伝的雌で高いことを明らかにした。 (2)In vivoにおけるMISR IIの機能解析 メダカ性分化の最初の指標は、生殖細胞数の性差である。そこで、MISR II-アンチセンスオリゴ(AS)をolvas-GFP系統(生殖細胞がGFP蛍光により可視化)の受精卵へ顕微注入してMISR IIの機能をノックダウンし、生殖細胞数を調べた。性分化前では、機能阻害胚の生殖細胞数には性差がなく、コントロール胚とほぼ同数であった。しかしながら、性分化時期では、コントロールの雌は雄の約2倍の生殖細胞数を示すのに対し、雌雄の機能阻害胚では有意に生殖細胞数が減少し、性差も認められなかった。 (3)培養系を用いたMISシグナリングの機能解析 MISR II-ASまたはMIS-ASを顕微注入したolvas-GFPメダカ胚(受精後6日)の生殖腺を用いて、ウナギリコンビナントMIS(rMIS)を添加して器官培養し、生殖細胞数を調べた。その結果、rMISを添加することにより、MIS機能阻害胚では、rMIS量依存的に生殖細胞数が増加したが、MISR II機能阻害胚では増加しなかった。 これらのことから、メダカ性分化におけるMISR IIの生理的機能は生殖細胞の増殖であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)