2007 Fiscal Year Annual Research Report
トリメトキシシリルエノールエーテルを用いた新規不斉合成反応の開発
Project/Area Number |
06J08078
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
折戸 裕哉 Kumamoto University, 薬学教育部, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | シリルエノールエーテル / アルドール反応 / マイケル反応 / 塩基触媒反応 / 第四級炭素 / エナンチオ選択的 |
Research Abstract |
1.第四級不斉炭素中心を含む付加体を与えるアルドール反応の開発を行った。 前年度までに得られていた結果を基に、不斉収率の向上を期して検討を行った。レトロアルドール反応の抑制により高い収率・選択性で付加体を得ることに成功した。本反応により、第四級不斉炭素中心を含むさまざまなアルドール付加体の高収率かつ高選択的な合成が可能になった。これは従前のアルドール反応においては達成された例がほとんどなく、トリメトキシシリルエノールエーテルを塩基触媒により活性化するという本反応系の有用性を示すものである。 2.触媒的不斉マイケル反応の開発を行った。 トリメトキシシリルエノールエーテルの新たな反応として、マイケル反応について検討した。マイケル反応は重要な炭素炭素結合形成反応であるが、これまでにシリルエノールエーテルの活性化により進行する例は全く知られていなかった。そこで、アルドール反応において成功をみた本反応系を適用したところ、共役エステルにおいて中程度の収率ながら高いエナンチオ選択性で反応が進行することを見出した。 3.トリメトキシシリルアルキンを用いる不斉アルキニル化反応の開発を行った。 シリルエノールエーテルと同様にシリルアルキンを本触媒系で活性化できるのではないかと考えて検討を行ったところ、高い収率かつ良好な選択性で付加体が得られることがわかった。本反応はシリルアルキンを用いた塩基触媒不斉アルキニル化として初めての例であり、不斉触媒による有機ケイ素化合物の活性化という概念がシリルエノールエーテル以外にも広く適用可能であることを示すものである。
|
Research Products
(3 results)