2006 Fiscal Year Annual Research Report
トリメトキシシリルエノールエーテルを用いた新規不斉合成反応の開発
Project/Area Number |
06J08078
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
折戸 裕哉 熊本大学, 薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シリルエノールエーテル / アルドール反応 / 四級不斉炭素 / 塩基触媒反応 / エナンチオ選択的 |
Research Abstract |
1.様々な基質に適用可能なトリメトキシシリルエノールエーテルの新規合成法を開発した。 これまでに用いていたトリメトキシシリルエノールエーテル合成法は適用可能な基質が限られていたり、単離・精製が難しいなどの間題を抱えていた。そこで、トリメトキシシリルトリフラートを用いた新規合成法を開発した。トリメトキシシリルトリフラートは、0℃下ジクロロメタン中アリルトリクロロメタンとトリフルオロメタンスルホン酸より容易に調製可能であり、これを用時調製しアミンとカルポニル化合物の混合溶液に滴下することで高い非常に変換効率で対応するシリルエノールエーテルを得ることができた。 2.不斉な四級炭素中心を構築するアルドール反応を検討した。 上記の成果により様々なシリルエノールエーテルの供給が容易となったので、4置換のシリルエノールエーテルを用いた反応を行った。この反応の生成物は不斉な四級炭素中心を含むことから、これをエナンチオ選択的に構築することが可能になれぱ様々な化合物の合成に応用可能と考えられるが、これまで報告例は多くなかった。本基質を適用したところ、反応速度の低下することなく良好な収率・選択性で付加体が得られた。 3.トリメトキシシリルエノールエーテルの塩基触媒マンニッヒ型反応を検討した。 イミンに対するマンニッヒ型付加反応はアミンを合成する重要な手法であるが、イミンが酸性条件下で分解してしまうためルイス酸を用いる一般的な触媒的不斉反応の条件の適用は難しいとされる。しかし、本基質は塩基性条件下で反応するためこれを克服することができるのではないかと考え検討を行った。その結果、N-トシルイミンについて反応は進行し、収率よく付加体であるアミンを与えることが分かった。現在選択性の向上を目指し条件の最適化を行っている。
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Research Products
(2 results)