2006 Fiscal Year Annual Research Report
mRNAスプライシングにおけるエキソン認識と反応制御の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
06J08096
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
原口 典子 熊本大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | mRNAスプライシング / エキソンスキッピング / 分裂酵母 / U2AF / ordered splicing |
Research Abstract |
我々は、スプライシング反応においてエキソンをとばすことなく順次連結するメカニズムを明らかにするために、分裂酵母でエキソンスキッピングを引き起こす変異株を単離し、それらの原因遺伝子の同定を進めている。エキソンスキッピングをモニターするレポーター遺伝子として、ura4^+遺伝子内にβ-tubulinをコードするnda3^+遺伝子のエキソンとその両側のイントロンを挿入したプラスミドpURA4βを構築した。エキソンスキッピングが生じると正常なUra4pタンパク質が合成でき、ウラシル欠失培地でも生育可能となることを利用して、現在までに、ウラシル欠失培地で成育する温度感受性変異株ods1-1,ods1-2,ods2-1,ods3-1(ordered splicing)を分離した。これらの変異株について原因遺伝子クローニングを行った結果、ods1,2,3はそれぞれPrp2p/U2AF^<59>、U2AF^<23>、SF1タンパク質をコードしていることを明らかにした。さらに温度感受性を示さない変異株の原因遺伝子クローニングも進め、新たにods4,5を分離することに成功した。 また、転写速度を遅くする薬剤(マイコフェノール酸:MPA、および6アザルラシル:6AU)を用いて、転写速度がods変異株のスプライシングにどのように影響するかを調べた。その結果、これらの薬剤を添加した培地ではods変異株におけるレポーターmRNAのスキッピング効率が減少していることが分かった。このことから、転写速度が遅くなったことによって変異SF1-U2AF複合体が3'スプライス部位をより認識しやすくなり、スキッピングが抑制されたと考えられた。以上の結果は、転写速度とスプライシングの正確性が関係していることを示唆する。
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Research Products
(1 results)