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2006 Fiscal Year Annual Research Report

18世紀パリにおける服飾品生産・流通・消費

Research Project

Project/Area Number 06J08155
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

角田 奈歩  お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(DC2)

Keywords服飾史 / 近世史 / 商業史 / 都市史 / フランス
Research Abstract

18世紀パリ及びフランス宮廷で活躍し,服飾品生産・流通・消費に重要な位置を占めたモード商人と呼ばれる手工業者兼小売業者を中心に研究を進めた。今年度は同業組合を主眼とする予定であったが,2006年10月に来日されたパリ・アンリ4世校アラン・ティレ教授から同業組合内部史料はパリ・コミューンの際にほとんどが散逸してしまい収集はほぼ不可能とのご教示を得た。また,2006年10月,パリ市古文書館などで調査を行った際にも,同業組合の内部史料は発見できなかった。ただし同業組合に関係した史料はいくつか存在を確認できたが,このような状況下では,これらの史料は同業組合研究にあたって貴重なものだと考えられる。パリ滞在調査の際にはパリ第一大学のドミニク・マルゲラス教授と面会し,そのご助言によりパリ市古文書館で多数の破産した商人の商業文書,特に帳簿類の存在を確認し,一部を撮影することができた。
現時点では,これら複数の商業文書に基づき,宮廷貴族・宮廷外貴族・上層ブルジョワジーなど基盤となる顧客層の差による商売の内容の差について,取引額や商品の価格帯などを数値化することによって研究を進めている。また,他のフランス諸都市の商人との間で,材料となる布地などを買い,完成した流行小物を売るといった取引が行われていたことも明らかになった。ただし,顧客に王族や宮廷で上位を占める貴族が多数含まれているモード商人の場合は,流行小物を他都市の商人に売ることはなくほぼ宮廷のみを対象に商売をしていたことが確認できているが,この点は革命による宮廷の消滅と関連させて考えねばならないだろう。さらに今後は都市間取引に携わった商人が中間商人と呼べる存在だったのか,それとも直接小売を行う商人だったのかも明らかにする必要がある。
上記の点,特に顧客層の差に基づく商売の内容の差については現在論文執筆・投稿準備中である。

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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