2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J08214
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上野 哲 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 専門職倫理 / 教員の資質能力 / ケースメソッド / 科学技術コミュニケーション |
Research Abstract |
1.学校教員の「資質能力」に関する現状の政策の分析 教員免許更新制導入の経緯について、教育職員養成審議会答申や各都道府県教育委員会の「指導力不足教員」認定基準の分析を行い、学校教員の「資質能力」の定義について、審議会答申と実際に実施されている教員政策に不整合があることを明らかにした。これにより、「資質能力に欠ける教員は教壇から排除するのが得策」という論調に根拠がないことを指摘でき、学校教員志望学生や現職教員に対する教職倫理教育導入の有効性を提言することができた。 2.ケースメソッドとグループワークの手法分析 教職倫理教育を大学において実施する際に柱となるグループワークとケースメソッドについて、これらの手法を導入している実際の授業(教職・看護職関連)や研修(福祉・経営分野、タイでのフリースクール教員研修)に本格的に参加することで、文献では得られないノウハウを身に付けることができた。 3.一般市民を対象とした倫理的問題を考えるワークショップの実施 専門的知識をもたない一般市民を対象に科学技術倫理関連の問題を主体的に考えてもらうための場(サイエンスカフェや市民会議)のリード役を積極的に引き受け、知識や経験量に差がある者同士の関係において双方向型のコミュニケーションを可能にするための試行錯誤を実際に行なうことで、手法的な問題点を明らかにすることができた。 4.教職倫理教育のプログラム作成と試行的実施 ケースメソッドとグループワークを中心に暫定的に作成した教職倫理プログラム(15講用)を、私が非常勤講師として勤務担当している広島修道大学「倫理学概論II」(教職科目)において実施した。実際に行なったことで、効用や課題が明確になり、来年度の本格的なプログラム作成に向けて、有益なデータを得た。 5.国内外に向けての専門職倫理教育関連の報告 専門職倫理教育に関する分析や実践報告を積極的に国内外で発表した。
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