2007 Fiscal Year Annual Research Report
現代アメリカ文学にみるエコポリティックス:多様なエスニック作家の環境政治的想像力
Project/Area Number |
06J08220
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松永 京子 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD) (50612529)
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Keywords | 英米文学 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
本年度は「チカーナ文学にみる環境意識」をテーマに、アナ・カスティヨやチェリエ・モラガの作品を中心に、環境正義やエコアクティヴィズムの言説について研究を進めた。特に、チカーナ文学における環境正義の研究は新しい領域なので、米国でのリサーチや専門研究者との交流を経て得た知見はたいへん重要なものであった。また昨年度行ったアメリカでのリサーチをもとに、先住民作家シャーマン・アレクシーの作品における核問題を研究し発表した。具体的には以下を実施した。 1.チカーナ文学と環境正義に関する資料・文献をネブラスカ大学図書館とインターネットを使用して収集。ネブラスカ大学のアメリア・モンテス教援を訪問し、インタビューの打ち合わせ。 2.昨年度の研究とネブラスカ大学で収集したチカーナ文学に関する資料をもとに、オゼキとカスティヨ作品にみられる汚染の言説とエコアクティヴィズムについてASLE-US学会で発表。 3.チカーナ文学と文化に関する見識を深めるため、モンテス教授にインタビュー。 4.ネブラスカ大学図書館で入手した資料を基に日本アメリカ文学会全国大会のワークショップで発表。 5.昨年の調査と研究に基づいて、Western Literature Association(WLA)学会にて、先住民作家シャーマン・アレクシーの作品にみる核問題について発表。 6.ASLE-US大会での発表に基づいて論文を執筆し、『アメリカ・エスニック文学研究』に投稿。 7.日本アメリカ文学会全国大会での発表に基づいて論文を執筆し、学会誌『文学と環境』に投稿。 本年度行ったリサーチを踏まえ、最終年度となる来年度はチカーナ文学における環境アクティヴィズムと宗教的シンボリズムの関連性についての研究をさらに発展させていきたい。また、先住民作家ジェラルド・ヴィゼナーの作品に関する核問題の研究について発表する予定。
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Research Products
(5 results)