2007 Fiscal Year Annual Research Report
硬X線とMeV〜GeVガンマ線による超新星残骸での陽子・電子加速現象の研究
Project/Area Number |
06J08244
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 弘充 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | X線 / ガンマ線 / 「すざく」衛星 / GLAST衛星 / 超新星残骸 / 加速現象 / 検出器バックグラウンド |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本のX線観測衛星「すざく」と、今春に米国から打ち上げられるガンマ線観測衛星GLASTを用いて、超新星残骸(SNR)を共同観測し、世界で初めてSNRからπ^0起因のガンマ線を有意に検出することである。本年度、「すざく」とGLASTの両衛星について、以下のとおりの研究を実施した。 1.「すざく」衛星について 我々が開発した硬X線検出器(HXD)の2つの検出器(シリコンPIN半導体とGSOシンチレータ)について、検出器バックグラウンドモデルの更なる改良を行った。これにより、SNR(SN1006)からの微弱なシンクロトロン放射を、これまでにない精度で測定することに貢献した(共著論文)。また系外銀河(M31)から硬X線放射を検出することにも成功し、拡散放射が存在する可能性を得た。この結果は、渦巻銀河の中心付近では普遍的に粒子加速現象が起こっている可能性を示唆する(国際会議で口頭講演)。昨年度に検出器の有効面積と応答関数を較正するために行ったブラックホール連星系のデータ解析について、主著者として論文にまとめた。 2.GLAST衛星について 打ち上げ直後の観測データには、検出器の応答の理解にどうしてもある程度の系統誤差が含まれてしまう可能性がある。そこで実際の観測を模擬したシミュレーションデータについて、現在の解析手法でどこまでの有意な結果を出せるかを検討した。打ち上げ後は当番の一人として、検出器の稼働状況をモニタすることを担当することになるため、このモニタ方法を習得するとともに、モニタ項目の改善も行った。
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Research Products
(8 results)