2008 Fiscal Year Annual Research Report
5.5TeV重イオン衝突における光子を用いたクォークグルーオンプラズマの研究
Project/Area Number |
06J08245
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鳥井 久行 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 原子核 / 宇宙 / クォークグルーオンプラズマ / 重イオン / 光子 |
Research Abstract |
年度当初の計画として、2008年6-12月にかけてLHC陽子陽子衝突計画にもとづき、研究を進めてきた。光子検出器Photon Spectrometer(PHOS)の運転準備ならびに試験に力を注いできた。5月にALICE検出器群のひとつとしてPHOS検出器をインストールし、PHOSの遠隔操作の開発ならびに試験、すべての読み出し回路のノイズ落としやテストなど、動作確認を行った。ALICE宇宙線トリガーを用いて他の検出器群と共にデータを取得し、他の検出器との相関が見えることを確認した。 さらに、PHOS Calibration Groupを立ち上げグループを主導。エネルギー較正のための基礎研究や、広島大学REFER加速器を用いた150MeV電子を照射しPHOS検出器の性能評価等を行ってきた。これにより1GeV以下の中性中間子ならびに光子の測定が制御可能な方法で十分可能であることを確認した。 また、中性中間子解析グループを立ち上げ、コンビナーの一人としてとして積極的にオフライン解析のためのコード開発ならびにシミュレーション等を行ってきた。予定されていた中心衝突エネルギー10TeVの陽子+陽子衝突における中性中間子解析のための収量見積もりならびにコード開発を行ってきた。1日あたり約500個の中性中間子を検出することが可能であり、PHOS検出器を用いた最初の成果として期待している。 本年度後半では、9月に発生したLHC加速器での事故ならびに運転計画の変更により、研究計画の変更を余儀なくされた。PHOS検出器の冷却に必要な機密性を保持しつつ読み出し回線等を引き出すためのフランジ作成に取り掛かり、最初のPHOSモジュールに必要な分を完成させた。平成21年度に行われる世界初のLHC陽子陽子衝突へ向けて、今後も研究を続けていきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)