2006 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域軟ガンマ線及び可視光観測によるガンマ線バーストのジェットの物理状態の解明
Project/Area Number |
06J08300
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大野 雅功 広島大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガンマ線バースト / 多波長観測 / 相対論的ジェット |
Research Abstract |
本年度は、すざく衛星搭載ガンマ線バーストモニタの軌道上較正を行いながら、ガンマ線バーストデータの解析を行った。 軌道上での較正には、他のガンマ線バースト観測衛星との同時解析が有用である。そこで、Swift衛星BAT検出器、Wind衛星Konus検出器と国際協定を結び、合同での較正解析をアメリカNASA/GSFCにおいて実施した。 その結果、すざく衛星ガンマ線バーストモニタのデータが正しく解析できているかどうかを明らかにし、問題点も洗い出すことができた。また、この機会に、Swift, Konusチームとの国際協力体制を構築することができた。 同時解析は、較正だけでなく、科学的成果を挙げることにも有効に用いることができる。 今回、すざく衛星ガンマ線バーストモニタとKonus検出器で同時解析したデータから、ガンマ線バーストの種族のひとつであるショートガンマ線バーストの特性について詳細に調べ、投稿論文としてまとめ、受理された。 これらの結果について、6月にイタリアで開催されたガンマ線バースト国際会議において発表し、自身の成果を報告するとともに、ガンマ線バーストの観測状況について最新の情報を入手した。 地上観測については、広島大学天文台による光学観測、すざくによる軟ガンマ線観測、SwiftによるX線-可視光観測という多波長同時データ解析の体制を立ち上げることに協力し、実際にこの体制のもと観測されたガンマ線バーストについてまとめた論文に共著者として参加した。 以上から、本年度ではすざく衛星ガンマ線バーストモニタによる観測によって、科学的論文を書くことができるほど、軌道上較正の成果を挙げることができた。 今後は較正の精度を向上させながらガンマ線バーストのスペクトル特徴について系統的にまとめるとともに、時間変動解析や地上望遠鏡による観測も行うことで、本研究の目的であるガンマ線バーストのジェットの物理について迫る。
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Research Products
(1 results)