2007 Fiscal Year Annual Research Report
固相の軽金属化合物からなる水素吸蔵放出反応系における熱力学特性の解明
Project/Area Number |
06J08366
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
日野 聡 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水素貯蔵物質 / リチウムアミド / アンモニア / 分光法 / 組成分析 / 熱力学特性 |
Research Abstract |
本研究は,軽元素からなる水素貯蔵物質の水素吸蔵・放出反応について,平衡状態付近の組成分析を行い,その熱力学的特性,及び反応機構を解明することを目的としている。対象とする反応はLiNH_2(リチウムアミド)+LiH(水素化リチウム)⇔Li_2NH(リチウムイミド)+H_2(水素)であり,この反応は,アンモニアを媒介とした素反応から構成される。本年度は素反応(LiH+NH_3→LiNH_2+H_2)の熱力学特性を明らかにする目的で,以下の調査を行った。 1.水素化リチウムをアンモニア静圧下,室温において保持した後,ガスクロマトグラフィーを用いてガスの組成分析を行った。その結果,この処理によって上記の素反応が進行し,水素が生成することが明らかになった。このとき,予備処理としてボールミリングにより試料表面を活性化した水素化リチウムを用いることや,導入するアンモニアの圧力を増加することで,反応の進行率が著しく向上した。 2.閉鎖系・水素雰囲気下においてリチウムアミドに熱処理を施し,生成したアンモニアと水素の混合ガスについて組成分析を行った。アンモニアのN-H伸縮振動及び水素のH-H伸縮振動のラマンスペクトルを測定し,その強度から各ガスの分圧を定量した。混合ガス組成の温度依存性から上記の素反応の熱力学特性である反応熱及びエントロピー変化を評価した。さらに,リチウムアミドの標準生成エンタルピー,標準エントロピーを算出した。
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Research Products
(3 results)