2006 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧法によるナノ粒子及びメソポーラス微粒子の合成と機能材料への応用
Project/Area Number |
06J08367
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
荻 崇 広島大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 液相法 / 窒化物ナノ粒子 / 噴霧法 / 蛍光体微粒子 / ナノ粒子の単層配列 |
Research Abstract |
本年度は、ナノ粒子の機能材料への応用の研究をさらに進める目的で、以下に記述する研究を検討した。 (1)液相法を用いた窒化物蛍光体ナノ粒子の合成 本研究では硝酸ガリウムとアンモニア水を混合した原料溶液を、直接アンモニアガス流通下で加熱するというシンプルな方法で粒子径が20-50nmの高い結晶性を持った六方晶の窒化ガリウム(GaN)粒子を合成する事に成功した。合成したGaNナノ粒子は254nmの励起波長を照射する事により364nmで発光特性を持つことが示された。この研究成果はMaterials Letters(2006)に掲載した。最近ではその他の窒化物材料に関するナノ粒子の合成を検討しており、これまでにない新しい機能を持つことが発見され現在、特許申請中である。 (2)噴霧法により合成した酸化物蛍光体微粒子の粒子径/結晶子径と発光強度の相関 本研究では、噴霧法により合成した球形の酸化物蛍光体微粒子(Y_2O_3:Eu)の平均粒子径、結晶子径と発光強度の相関について検討した。操作条件を制御することにより、粒子径が一定で、結晶子径が異なる微粒子、結晶子径が一定で粒子径が異なる微粒子を合成し、それぞれ微粒子が蛍光強度に及ぼす影響を詳細に調査した。その結果、発光強度は結晶子径に強く依存することが確認され、最適な蛍光体微粒子は、粒子径400nm、結晶子径50nmであるという知見を得た。この研究成果はChemistry of Materialsに掲載予定である。 またその他に、本年度はスピンコーティング法によるSiO_2粒子の単層配列に関する研究について論文をまとめた。さらに現在、噴霧乾燥法によるポーラス微粒子の合成に関する論文を投稿中である。今後は、ナノ粒子の機能材料への応用に向けて、ビーズミル装置を用いたナノ粒子のモノマー中への均一分散を検討し、ナノ粒子の構造体材料の作製、特性評価を検討する予定である。
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