2007 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧法によるナノ粒子及びメソポーラス微粒子の合成と機能性材料への応用
Project/Area Number |
06J08367
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
荻 崇 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 液相法 / 酸窒化物蛍光体 / 窒化物ナノ粒子 / 塩添加噴霧熱分解法 / 蛍光体ナノ粒子 |
Research Abstract |
本年度は、ナノ粒子の機能材料への応用の研究をさらに進める目的で、以下に記述する研究を検討した。 1、液相法を用いた新規酸窒化物蛍光体粒子の合成 本研究では可視光領域でフルカラー発光するBCNO元素からなる新規酸窒化物蛍光体粒子の合成に成功した。このBCNO微粒子は、ホウ酸と尿素とポリマーを混合した原料溶液を加熱することによって合成可能であり、酸窒化物系の材料としては比較的低温でかつ安価な原料を使用している。また原料溶液に添加するポリマーの量を増加させることで、発光ピークが長波長側にシフトする傾向があることが明らかとなった。本研究では、ポリマーの添加量、合成温度、合成時間の最適化を行なうことにより、発光領域を、387nmから571nmまで制御が可能となった。また外部量子効率を測定したところ、青〜緑領域で発光する場合は、70〜80%の高い効率を持つことが確認された。この研究成果はAdvanced Materialsに掲載予定である。 2、塩添加噴霧熱分解法を用いた窒化ガリウム(GaN)ナノ粒子の合成 本研究では、原料溶液に塩を添加する噴霧熱分解法を用いて、合成温度、添加量を調整することで、平均粒子径10nmで幾何標準偏差が1.65の結晶性の高いGa_2O_3ナノ粒子が合成できた。合成されたGa_2O_3ナノ粒子をアンモニアガス流通下で窒化を行なったところ、平均粒子径23.4nm、幾何標準偏差1.68のGaN粒子の合成が可能となった。また、比較的低温で合成されたGa_2O_3ナノ粒子を窒化した方が、窒化物への構造変化が生じやすいことが明らかとなった。さらに、電子エネルギー損失分光法を用いて元素マッピング分析を行った結果、Ga_2O_3ナノ粒子は粒子内部まで窒素原子が含まれていることが確認された。この研究成果はAdvanced Powder Technologyに掲載予定である。
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