2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の形態形成と増殖とを連携制御する細胞極性ネットワーク
Project/Area Number |
06J08369
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久米 一規 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞形態形成 / 中心体 / Furry / Mor2 / MO25 / Morphogenesis Orb6 network |
Research Abstract |
当研究室では、単細胞モデル生物である分裂酵母を用い、細胞形態形成と増殖との連携制御機構の解明を目指している。本研究では、ハエFurry様タンパク質Mor2の解析から明らかとなった、中心体から発信される細胞極性ネットワークMOR(Morphogenesis Orb6 Network)^<1)>について、その細胞極性制御における分子機構の解明を目的とし、以下の研究を行った。 (1)以前の解析から、MORの上流で機能する進化上保存されたMO25-like/Pmo25が、M期特異的に中心体(SPB : spindle pole body)に局在し、細胞質分裂の開始を制御するSIN(Septation Initiation Network)の中のCdc7、Sid1 kinaseからのシグナルをMORに伝える上で重要なコネクターという役割を担うことが示唆された^<1)>。そこで、SINとMORとの連結部分における詳細を明らかにするため、このたび、Pmo25結合kinaseの活性測定法を確立した。その手法を用いて、Pmo25結合kinaseの活性を測定し、その活性が、SINとMORに属する二つのGC kinase、Sid1/SINとNak1/MORに依存することを見いだした^<2)>。 (2)次に、Pmo25がM期特異的に中心体に局在するその生理的意義を明らかにするため、細胞周期間期にSINを構成的に活性化し、その条件でPmo25の局在を調べた。その結果、細胞周期間期にも関わらず、Pmo25が中心体に局在し、細胞極性欠損を誘導した。つまり、M期では、SINが活性化することにより、Pmo25を中心体にリクルートすることが明らかとなった。今後は、MORの下流分子について調べていく。 (3)出芽酵母で、MORと相同な経路としてRAM経路(reguration of Ace2p activity and cellular morphogenesis)が知られており、この経路での構成因子に進化上保存されたSog2が含まれるが、分裂酵母のホモログは機能未解明であった。そこで、分裂酵母のSog2ホモログをLrp1(Leucine-rich-repeat protein)と命名し、MORにおける機能を明らかにするため、まず、Lrp1にエピトープ(GFP、HA、Myc)を連結した。今後、MORにおけるLrp1の機能を明らかにしていきたい。 ^<1)> M.Kanai, K.Kume et al.EMBO J.24:3012-3025(2005). ^<2)> K.Kume et al.Biosci.Biotechnol.Biochem.71(2):615-617(2007).
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Research Products
(2 results)