2006 Fiscal Year Annual Research Report
2層カーボンナノチューブで特異に発生する融合現象に関する研究
Project/Area Number |
06J08440
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
村松 寛之 信州大学, 工学系研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 2層カーボンナノチューブ / 融合現象 / CCVD |
Research Abstract |
平成18年度は2層カーボンナノチューブの直径やバンドルサイズの違いにより、高温熱処理における微細構造の変化を解析することを目的とした。主に得られた研究成果を以下に示す。 1.2層カーボンナノチューブを高純度に合成し、2100℃の高温熱処理を施すことによりチューブ間で融合現象を起こさせラマン分光分析と透過型電子顕微鏡により詳細に構造解析を行った。熱処理したDWNTsバンドルの断面を透過型電子顕微鏡により詳細に観察した結果、今までにない新しい同軸構造であるOff-centered DWNTsが合成されていることがわかった。従来のDWNTsは同軸入れ子構造であり、内外層の層間距離は0.36nm程度である。一方、Off-centered DWNTsは内層が外層の片側に偏っており、一方では層間距離が0.36nmであり、もう片側は1.4nmであることが分かった。このOff-centered DWNTsの発生メカニズムを分子動力学計算によるシミュレーションを用い検討した結果、2本のDWNTs同士の外層同士が融合し(Bi-Cable構造)、その後に内層同士が融合することにより発生することを確認した。つまりBi-Cable構造は準安定な構造であり、内層同士が融合することが分かった。 2.SWNTsにC60を内包させたnano-Peapodを合成させ、さらに高温加熱処理を加えることによりDWNTsを合成した。この方法で得られるDWNTsの内層はおよそ0.7nmであり、CCVD法で得られるDWNTs(内層はおよそ0.7-1.0nm)と比較し細い。Nano-Peapodから合成したDWNTsへ1800度の加熱処理を施すことにより、Bi-Cable構造を作成することができた。またPeapodから合成したDWNTsではDWNTsの外層とSWNTsが融合する箇所が発生することがわかった。
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Research Products
(3 results)