2006 Fiscal Year Annual Research Report
癌遺伝子Aktを分子標的とした超効率型siRNAによる口腔癌治療
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06J08497
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
原 慎吾 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 癌 / 核酸 / 発現抑制 / 病理学 |
Research Abstract |
【口腔扁平上皮癌及び唾液腺癌に対する治療標的分子の同定】 ヒト全遺伝子型マイクロアレイ解析により、口腔扁平上皮癌発現遺伝子としてAkt1を同定した。さらに、唾液腺癌細胞のHGF依存性浸潤増殖促進がPI3K/Akt pathwayの活性を介して支持されていることを確認した。そこで、口腔扁平上皮癌の治療標的分子候補としてAkt1を、唾液腺癌の治療標的分子候補としてAkt1,2,3を同定した。 【Akt1,2,3に対する超効率型siRNAの同定】 理論上off target効果を回避し、かつ十分なRNAi効果が期待できるAkt1,2,3に対する合成siRNAを各々5種類同定した。 【合成siRNAのin vitroの系での導入至適濃度の決定】 細胞内のインターフェロン応答や非特異的細胞増殖抑制などの副作用を示さないin vitroの系での合成siRNA導入至適濃度を10nM以下と決定した。 【超効率型Akt1,2,3-siRNAのin vitroにおける抗腫瘍効果】 Akt1のノックダウンによる口腔扁平上皮癌細胞の浸潤増殖抑制効果と、Akt1,2,3単一のノックダウンによる唾液腺癌細胞のHGF依存性浸潤増殖促進の抑制効果を確認した。 【アテロコラーゲンを用いた合成siRNAのin vivoデリバリーシステムの確立】 GFP安定発現培養口腔癌細胞をヌードマウスに移植し、腫瘍形成後にGFPに対するsiRNAとアテロコラーグンの混合物を局所投与、全身投与した後、合成siRNAのin vivoデリバリー効率を腫瘍の蛍光強度で評価し、投与後4日間のRNAi効果を確認した。 【超効率型Akt1,2,3-siRNAのin vivoにおける抗腫瘍効果】 超効率型Akt1,2,3-siRNAのin vitroでの抗腫瘍効果をヌードマウスを用いたin vivoの実験で評価した。培養口腔癌細胞をヌードマウスに移植し、腫瘍形成後にsiRNAとアテロコラーゲンの混合物を4日間隔で注入し、in vivoにおける抗腫瘍活性を評価した。局所投与法、全身投与法ともにAkt1のノックダウンによる口腔扁平上皮癌の浸潤増殖抑制効果を確認した。さらに、インターフェロン産生用ポリヌクレオチド:Poly(I)・Poly(C)の腹腔内投与と比較して合成siRNAの全身投与によるインターフェロン応答のレベルが軽微であることも確認した。
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Research Products
(3 results)