2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規アルド-ケトレダクターゼの構造・生理機能・基質特異性の分子進化
Project/Area Number |
06J08502
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
横地 奈菜 愛媛大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アルドーケトレダクターゼ / ピリドキサール / Mesorhizobium loti |
Research Abstract |
アルドーケトレダクターゼ(AKR)スーパーファミリーの新規ブランチに属する3種の酵素Ochrobactrum sp.由来ピリドキサール 4-デヒドロゲナーゼ(oPLDH)、根粒菌Mesorhizobium loti由来3332-PLDH、8482-PLDHの酵素科学的性質を明らかにし、比較を行った。3酵素ともダイマーであり、基質としてはPLだけではなく、threo糖にも高い反応性を示した。補基質特異性には違いがみられ、oPLDH、8482-PLDHはNAD^+を要求するのに対し、3332-PLDHはNADP^+を要求した。また、逆反応は観察されなかった。既知のAKRとの比較から、これら酵素は活性に関与する残基、補基質との結合に関与する残基を保存していた。現在3酵素の結晶化条件を検討し、得られた結晶を用いて、位相決定のための解析を進めている。また、本酵素の機能を明らかにするため、根粒菌由来の2種の遺伝子について機能解析を行った。両遺伝子の欠損は生育に影響せず、また、ビタミンB_6分解能にも影響が見られなかった。このことから、両者とも根粒菌の有するビタミンB_6分解には直接的には関与していないことが明らかとなった。 そこで新たに、最近本研究室で明らかにした根粒菌のビタミンB_6分解酵素クラスターの中から、本酵素をコードしていると思われる遺伝子を探索した。その結果、mlr6807遺伝子がビタミンB6分解に直接関与するPLDHをコードしていることを明らかにした。本酵素はoPLDHとは一次構造の相同性がみられずShort-chain dehydrogenase/reductaseファミリーに属する新規酵素であった。本酵素は基質特異性が非常に高く、PL以外は基質とならなかった。また、PLに対する触媒効率はoPLDHの約900倍であった。機能解析から、mlr6807遺伝子のコードするタンパク質がビタミンB_6分解の第2段階の酵素として機能していることを証明した。本酵素に関しても、結晶構造解析をすすめており、上記酵素との活性部位の比較を今後おこなっていく予定である。
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Research Products
(1 results)