2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J08527
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
砂原 庸介 大阪大学, 法学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ガバナンス / 地方政府 / 中央地方関係 / 知事-議会関係 / 財政連邦主義 |
Research Abstract |
本年度は,まず,都道府県の政策決定について,首長・執行部と議会の関係が政策帰結にどのような影響をもたらすかについて検討した論文をふたつの学会誌において発表し,発表した論文を中心に研究会等で報告を行った。発表した論文は,それぞれ,都道府県において知事の特徴と知事-議会関係が政策変化にどのような影響をもたらすか検討したもの(『年報行政研究』)と,知事・議会の党派性が政策の帰結にどのような影響を与えてきたかを検討したもの(『財政研究』)である。 続いて,本年度は,地方政府の政策決定を規定する「ゲームのルール」として最も重要であると考えられる,中央地方関係についての理論的・経験的な研究を中心として行った。近年では政治学でも,中央-地方の財政的な関係について公共経済学の「財政連邦主義」の知見を活かした分析が進められている。本研究においても,この議論をベースとして地方政府の政策決定における「ゲームのルール」を明らかにしたうえで,政策決定過程を実証的に検討することが志向される。そのために,本年度は財政連邦主義の議論を踏まえて中央政府と地方政府の関係について分析を行い,日本財政学会において国際比較の経験的な分析を報告したほか,単一国家という日本の特徴を踏まえて中央地方関係について分析する論文と,「ゲームのルール」の変更に大きなインパクトをもたらしうる地方財政改革(三位一体の改革)の政治過程について実証的に検討した論文を執筆している。前者は研究会で報告し,後者は学会誌に投稿することが予定されている。 さらに,現在は,今後の実証分析として,2000年の地方分権一括法施行後の地方政府の法定外税・超過課税について分析する論文の準備を進めている。政治の根幹である課税についての研究は,分権改革によって自律性を増したと考えられる地方政府の分析対象として最も適当なもののひとつであると考えられる。
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Research Products
(2 results)