2008 Fiscal Year Annual Research Report
赤外共鳴の和周波発生と近接場光学による分子イメージング及び分子選択加工法の研究
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06J08606
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田口 敦清 The Institute of Physical and Chemical Research, 河田ナノフォトニクス研究室, 基礎科学特別研究員
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Keywords | 近接場光学顕微鏡 / プラズモニクス / ナノフォトニクス |
Research Abstract |
金属ナノ構造の形状やサイズを高い精度で制御することは,プラズモン共鳴の精密な制御につながり,非線形光学効果の増強に応用できる.ポリオール合成法を用いた銀ナノ微粒子の作製において,反応溶液中に流量を制御した酸素を供給することでナノ微粒子の結晶構造を簡便に制御し作り分ける手法を確立した.ポリオール合成法は,熱したエチレングリコールの還元作用によって硝酸銀を還元し,銀結晶を析出成長させる化学合成法である.本研究では,反応溶液に加えた臭化ナトリウムの示す酸化的エッチングの進行速度を,反応溶液中における酸素の濃度で直接制御し,結晶構造によって酸化的エッチングによる耐性が異なることを利用して,所望の結晶構造以外の結晶核を全てエッチング消滅させる.このようなアプローチで銀ナノ結晶の作製を試みた例は他に無く,また,不明な点が多く残されている酸化的エッチング機構の解明にも繋がるものであり,本研究成果はChem Phys Lett誌に掲載された.また,種々の形状の銀ナノ結晶を簡便に作製可能な本手法は,実用的な面から見ても,将来のプラズモニックデバイスの作製のための基本要素技術として有望であり,特許出願した.作製した銀ナノ結晶は,自己組織化などの手法を用いてプローブ先端に集積し,非線形近接場プローブとして用いる.
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Research Products
(16 results)