2007 Fiscal Year Annual Research Report
赤外共鳴の和周波発生と近接場光学による分子イメージング及び分子選択加工法の研究
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06J08606
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田口 敦清 The Institute of Physical and Chemical Research, 河田ナノフォトニクス研究室, 特別研究員(PD)
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Keywords | 近接場光学顕微鏡 / 赤外分光 / 放射光 / プラズモン / 電場増強 / ラマン分光 / 非線形 / 散乱型プローブ |
Research Abstract |
本年度に得られた成果を以下にまとめる. 放射光施設SPring-8に赤外近接場光学顕微鏡を構築した.近接場赤外分光に用いる開口プローブは,集束イオンビーム加工機を用いて市販のカンチレバー先端に直径約1ミクロンの微小開口を作製した.このプローブを原子間力顕微鏡に搭載し,コンタクトモードによりサンプル上での位置制御を行った.装置の空間分解能評価用のサンプルとして,ガラス基板上に幅3ミクロン,デューティー比1の金のパターニングを施したものを作製した.プローブをサンプル表面にコンタクトさせ,プローブ開口部を通して赤外放射光ビームをサンプルに照射し,その反射光をFTIR分光器に導いて反射スペクトルを測定した.また,特定の波数でサンプルをxyスキャンし,赤外分光画像を測定した.波数700cm-1で赤外反射像を測定し,幅3ミクロンの金のパターンに対応した像のコントラストを確認した.一方,開口プローブを用いずに測定した赤外像には,金パターンのコントラストが消失した.以上の結果により,波長の5分の1程度の超解像が得られていることを確認した.現在,装置の安定性,再現性の向上に取り組んでいる. また,和周波を効率よく発生させるために用いる金属プローブのプラズモン共鳴波長を簡便に制御する手法を開発した.このプラズモン最適化技術により,近接場ラマン分光法や近接場非線形分光法を用いた分子イメージングにおける感度の向上が期待できる.また,金属プローブと金属基板により生じるギャップモードを用いてプラズモン像強度を高める手法や,原子間力顕微鏡のタッピングモードを利用して,基板と金属プローブ先端のギャップ間隔を制御しながら信号を検出する手法の開発を行った.
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Research Products
(15 results)