2006 Fiscal Year Annual Research Report
機械的破断接合法による単一有機分子の光スイッチング特性評価に関する研究
Project/Area Number |
06J08647
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
筒井 真楠 大阪大学, 産業科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 単分子電気伝導 / MCBJ |
Research Abstract |
本研究の実験基盤となるMCBJ(mechanically-controllable break junction)装置の設計・製作及び立ち上げを行った。MCBJユニットは,コールドヘッドタイプのクライオスタットに取り付け,極低温での測定が実施可能な構造に設計した。MCBJ試料作製にはナノ加工技術を応用した。試料作製工程は以下の通りである。作製したナノMCBJ試料を対象に破断接合法によるAu単原子接点コンダクタンス測定を行い,MCBJ装置のキャリブレーションを遂行した。測定系はGPIB制御し,測定・データ解析プログラムはVisual Basic 6により構築した。 更に,プログラム自己組織化配線法を応用し,比較的長い光スイッチ分子(Diarylethene)を対象にその光スイッチング特性評価を行った。まず配線分子の設計を行った。配線分子はp-phenylenevinylene(PPV)を採用した。配線分子の長さは,PPV2-3ユニットとした。反応点分子にはヨードベンゼンチオールを用いた。 この分子の全長は約8nm程度である。そこで,電子線描画法により,電極間距離8nm以下の極小ギャップ電極を作製した(基板:SiO_2)。電極金属はAu(35nm)/Ti(5nm)である。作製したギャップ電極を用い,分子配線合成を行った。反応後の電極を顕微鏡観察したところ,反応過程において電極金属が劣化することを明らかにした。その後,下地金属をTiからCrに変更することで,分子配線反応過程における電極金属の劣化を大きく低減させることに成功した。
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