2008 Fiscal Year Annual Research Report
機械的破断接合法による単一有機分子の光スイッチング特性評価に関する研究
Project/Area Number |
06J08647
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
筒井 真楠 Osaka University, 産業科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 単分子電気伝導 / 機械的破断接合 |
Research Abstract |
本年度の研究目標である,非弾性電子トンネル分光測定を取り入れた単一フォトクロミック分子の光スイッチング特性評価には,強固な金属-分子接合を与えるアンカ-分子の探索が不可欠である.そこで,昨年度までに開発した,自己破断接合法(self-breaking法)を応用し,アンカー部位としてチオールまたはアミンを有する分子について,その金属-単分子-金属接合の室温耐久性を定量的に比較評価した.その結果,アミン-金結合に比べ,チオール-金結合を有する単分子接合は、その熱破断寿命に換算すると、10000倍以上安定であることなどを明らかにし,自己破断接合法を用いた本測定技術が,単分子デバイスの信頼性評価において有用な手法となることを実証した. 更に,信頼性の高い光スイッチング特性評価にとって重要である極低温下における安定な単分子接合の作製に向け,自己破断接合法を用い,金-ベンゼンジチオール-金接合について、その形成・破断メカニズムを調べた.その結果,分子接合形成の前段階において,分子接合と平行に金単原子接合が形成されていることを明らかにした.更に,破断接合法により得られる単分子接合の安定性は,金単原子接合の機械的伸張過程において分子接合にも蓄積される引っ張り応力の影響を大きく受けることを実験的に示した.以上の結果から,安定な単分子接合を作製するためには,分子接合と平行に形成される金単原子接合を,従来の機械的伸張ではなく,引っ張り伸張を伴わない熱活性破断機構を利用し破断させることが重要であることを明らかにした.
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Research Products
(18 results)