2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J08703
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
胆 紅 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 東洋経済新報 / 中外商業新報 / 満蒙問題 / 五・四運動 / 山東問題 / 内藤湖南 |
Research Abstract |
以下のような活動をおこなった。 1.論文執筆 (1)「一九一〇年代日本の中国論一『東洋経済新報』を中心に-」(政治思想学会編『政治思想研究』第6号、2006年、251-280頁) 内容:本論文では、辛亥革命から第一次世界大戦までの『東洋経済新報』の論説を、徳富蘇峰・内藤湖南・吉野作造などの当時の代表的知識人のほか、『中外商業新報』などいくつかの新聞論説と比較し、その独自性を論証したものである。なぜ『東洋経済新報』において、1920年代以後の日本の大陸政策を根本的に批判する態度が可能となったのか。本論文は、その原因を『東洋経済新報』の1910年代の論説まで遡って検討しようとした。1910年代は辛亥革命、日本の対華二十一か条要求、五・四運動など、中国での激動が続き、中国観を探るのに格好の素材が揃っている。私はそのことに着目して、当時の代表的な知識人や新聞論説と『東洋経済新報』の中国観や現状認識の違いを明らかにした。 (2)「五・四運動と日本のジャーナリズム」(『国際公共政策研究』第11巻、第2号、) 内容:本論文の目的は、五・四運動そのものについて論ずるのではなく、大正デモクラシー、いわゆる「内に立憲主義、外へ帝国主義」の過程の一側面を、五・四運動にかんするジャーナリズムの中国論を通して検証することにある。新聞界をはじめ、当時の日本を代表する外交関係の専門雑誌『外交時報』、そして中国通として知られた内藤湖南などの論説を考察の対象とした。 2.学会報告 「1910年代の日本の中国論」(政治思想学会、九州大学、2006年7月8日) 上記(1)の論文の内容を報告した。 3.国際シンポジウム出席 「ナショナリズムをめぐる相克」(北京大学、2006年8月2日) 尾崎秀実を中心に、昭和研究会メンバー蝋山政道や東亜連盟論の提唱者石原莞爾の論説と比較し、東亜協同体論の歴史的意味を検討して報告した。
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Research Products
(2 results)