2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J08774
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 健二 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イオン性液体 / 界面活性剤 / ゲル |
Research Abstract |
イオン性液体である1-ブチルピリジニウムテトラフルオロほう酸及び1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロほう酸を合成し、アニオン性界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやアルキル硫酸ナトリウム(アルキル鎖長:12、14、16)との相互作用を試みたところ、アニオン性界面活性剤はイオン性液体に不溶であった。界面活性剤の分解点(約200℃)まで溶液を加熱したが、不溶であった。水溶液中でひも状ミセルを形成する組み合わせであるヘキサデシル硫酸ナトリゥムとn-ペンチル-N, N-ジエチル-N-メチルアンモニウムブロマイドを参考にして、n-ペンチル-N, N-ジエチル-N-メチルアンモニウム(ビス(トリフルオロメチル)スルホニル)イミドを合成してヘキサデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸系界面活性剤と相互作用させたが、この系においてもイオン性液体にアニオン性界面活性剤は不溶であった。以上の結果から、アニオン性界面活性剤は基本的にイオン性液体には不溶で、この系からはイオンゲルを形成することは出来ないと判断した。 そこで、界面活性剤としてTriton X-100やBrij 76などのノニオン性の界面活性剤を用いて、イオン性液体との溶解性を試みた。これらのノニオン性界面活性剤はイオン性液体には可溶であるが、溶液の粘弾性は変化がなかった。上の界面活性剤は全て一本鎖の界面活性剤であるが、(Hanabusa, K. Lagmuir 2005,21,10383)や(Kimizuka, N.Langmuir 2001,17,6759)などのゲル化成功例では、長いアルキル鎖を2本有している分子を用いている。そこで、様々な鎖長とスペーサー長を有するジアルキルメチルアンモニオアルカノネートなどの2本鎖型のノニオン性界面活性剤を合成して、ゲル化の検討を行う予定である。
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