2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J08846
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畑 佳世子 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超原子価ヨウ素反応剤 / ヘテロポリ酸 / カチオンラジカル / スピロジエノン |
Research Abstract |
これまでに、フェニルエーテル類に超原子価ヨウ素反応剤であるPhcnyliodinc bis(trifluoroacetate)(PIEへ)を活性化して作用させると、安定な芳香族カチオンラジカル種が得られることを見出している。今回、このようにして生成したカチオンラジカル種への酸素求核種導入反応を検討し、分子内求核種としてアルコールを有する基質に(CF_3)_2CHOH溶媒中でPIFAを作用させるとクロマン体が、反応系中に水が存在するヘテロポリ酸(HPA)を活性化剤として用いた場合にはスピロエーテル体が得られ、反応条件の選択により、異なる2種類の生成物を作り分けることに成功した。また、本反応の反応機構についてもESRスペクトル測定等により詳細に検討した。さらに、このPIFAとHPAの組み合わせはアルコールや、これまでに報告したカルボン酸を分子内求核種としたスピロラクトン体合成だけでなく、分子内にアルデヒド、アミンを持つ化合物を用いた場合にも適用可能であり、効率的に対応するスピロジエノン体が合成できることを見出した。 また、このPIFAとHPAの組み合わせ条件をベンジルアルコールを有するフェニルエーテル誘導体に適用すると、芳香環へ水酸基が導入された後、続いて酸化的開裂反応が進行する、新規ベンゾキノン体合成法となることを見出した。 これらの反応は、フェノール体より安定で、取り扱いの容易なフェニルエーテル体を用いた反応であり、また、緩和な条件下での酸化反応であるため、有用性の高い反応になることが期待される。
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Research Products
(1 results)