2006 Fiscal Year Annual Research Report
単層カーボンナノチューブ薄膜ガスセンサーの開発と環境汚染ガス検知への応用
Project/Area Number |
06J08863
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
WONGWIRIYAPAN Winadda 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / ガスセンサー / 成長形態 / 密度制御 / 高感度化 / 吸着機構 / 触媒金属修飾 |
Research Abstract |
本研究では、環境基準で定められた大気汚染物質を超高感度で検知する技術の開発を目的として、単層カーボンナノチューブ(SWNT)をセンシング材料に採用し、高感度化、機能性付与、長寿命化と劣化機構の解明、実用化に向けた大気環境への適用を目標に研究開発を進めている。 本年度は、SWNT成長形態とセンサー応答特性の相関を調べた。また、SWNTへのガス吸着機構を解明するために、大気中での外乱を避け、規定された条件下でSWNT薄膜ガスセンサーの応答特性を評価した。さらに、特定のガス種検知に向けて金属触媒修飾SWNT薄膜ガスセンサーを作製し応答特性を評価した。SWNT薄膜の成長温度を変化させることによって、SWNTの密度、直径分布と成長方向が変化した。応答特性を測定した結果、SWNT密度の低い試料の方が高感度であった。また、触媒膜厚を変えることによりSWNT密度を変化させた場合も、同様の結果が得られた。この要因として、SWNTの低密度化により、SWNTのバンドル化が抑制され、孤立SWNTでの吸着確率、およびそれに伴う電荷移動の効率が増大したことやnarrow-band-gap伝導経路が減少し、ガス吸着による化学ゲート効果が向上したことが考えられる。これらの結果から、SWNTの密度制御により、センサーの感度向上が可能であることがわかった。次に、真空中においてNO_2に対する応答特性の評価をおこなった。その結果、大気中と比べ、センサー感度がおよそ1.4倍高くなった。この要因として、真空中では検知対象ガス以外のガス分子の影響を受けにくいことやSWNTの表面が清浄であることから、SWNT本来の性能が得られと考えられる。次に、SWNTにPt触媒金属微粒子を修飾したガスセンサーを作製し、従来のSWNTでは機能しないとされていたCOに対してセンサー応答が得られることを見出した。
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Research Products
(2 results)