2007 Fiscal Year Annual Research Report
単層カーボンナノチューブ薄膜ガスセンサーの開発と環境汚染ガス検知への応用
Project/Area Number |
06J08863
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
WONGWIRIYAPAN Winadda Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 単層カーボンナノチュブ / ガスセンサー / Langmuirの吸着等温式 / Langmuir Hinshelwood機構 / 酸化反応 / 保護膜 / 酸化膜被膜 / 安定性向上 |
Research Abstract |
環境基準で定められた大気汚染物質を超高感度で検知する技術の開発を目的として、単層カーボンナノチューブ(SWNT)をセンシング材料に採用し、SWNTガスセンサーの高感度化、機能性付与、長寿命化と劣化機構の解明、実用化に向けた大気環境への適用を目標にし、SWNTによる超高感度ガス検知システムを構築することを目指している。 本年度は、SWNT上NO_2ガス分子の吸着特性について調べた。同センサーに分子認識の機能を付与するために、Pt触媒金属微粒子でSWNTを修飾した。また、SWNTガスセンサーの安定性を向上させるために、SWNTに保護膜を被膜し、性能評価をおこなった。まず、大気中での外乱を避け、真空中下でSWNT上のNO_2ガス分子の吸着特性の解析をおこなった。SWNTへのガス吸着について、Langmuirの吸着等温式を用いて解析した結果、ガス濃度とセンサー応答の相関が得られた。さらに、Langmuirの吸着等温式から得られた平衡定数および付着係数の解析から、SWNT上のNO_2の吸着エネルギーを求めた。次に、Pt修飾SWNT(Pt-SWNT)のCO検知メカニズムを考察した結果、Pt-SWNTのCO検知はPt微粒子上のCO酸化反応によるSWNTへの電子供給であり、Langmuir Hinshelwood機構にしたがうことを明らかにした。また、SWNTに酸化膜を保護膜として被膜し、センサー応答の安定性と再現性の評価をおこなった。測定回数が増えるにつれて、as-grown SWNTのセンサー応答のばらつきが大きくなっているのに対して、酸化膜被膜のものはセンサー応答が安定していることがわかった。酸化膜被膜により安定性が向上した要因として、大気分子やNO_2によるSWNTへの欠陥導入が低減されたことが挙げられる。
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Research Products
(6 results)