2006 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算による固体高分子形燃料電池要素材料および水素貯蔵材料のデザイン
Project/Area Number |
06J08899
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
津田 宗幸 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 触媒反応 / 第一原理計算 / 密度汎関数理論 |
Research Abstract |
1.金属ポルフィリンとO_2との相互作用におけるイミダゾール配位子効果 密度汎関数理論(DFT)に基づく第一原理計算により、金属ポルフィリン(MPs)とO_2との相互作用におけるイミダゾール配位子効果を検討した。MPsとして、鉄ポルフィリン(FeP)およびコバルトポルフィリン(CoP)を選択し、それらのO_2付加体も含めて、MPとイミダゾール付加MP[(Im)MP]とを比較した。(Im)MP-O_2のO-O結合は、MP-O_2のそれよりも弱くなる傾向がある。これは、より多くの電子がO_2へ逆供与するためであり、イミダゾール配位子からの強い電子供与に起因していることが分かった。ただ、これは励起した一重項O_2との相互作用には適用できない。 2.歪みおよびCO吸着を受けたPt上におけるH_2の解離吸着 DFTに基づく第一原理計算により、白金(Pt)とH_2との相互作用における、歪みおよびCO吸着の効果を検討した。圧縮(拡張)歪みは、H_2解離それに続くH吸着を妨げた(促進させた)。一方、隣接COは、H_2解離のみを妨げた。それゆえ、H_2の解離吸着に対する触媒活性は、拡張歪みされたPtが最高となり、圧縮歪みされ、かつCO吸着したPtが最低となることが分かった。本研究では、歪みおよびCO吸着により、H_2の解離吸着に対する触媒活性を制御できることを示唆した。 3.Pt上に吸着した酸素へのプロトン移動:酸素還元反応の初期反応 DFTに基づく第一原理計算により、白金(Pt)上に吸着した酸素へのプロトン移動を検討した。Pt-O_2系の最高占有分子軌道(HOMO)が、Pt-O系のそれよりも高いために、プロトンは、優先的にO_2へ移動する傾向があることが分かった。本研究では、Pt上の酸素還元反応(ORR)がヒドロペルオキソ(-OOH)種の生成から開始される傾向があることを示唆した。
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Research Products
(6 results)