Research Abstract |
本研究の目的は,外部制御を必要としない自己完結型システム構成を用いた超高速全光A/D, D/A変換の実現である.本年度は,全光A/D変換における光量子化の最適化および各分野への応用に向けた光符号化手法の検討を行った.これまでに得られた成果は以下のとおりである. 1.提案するファイバ内非線形効果を用いた光量子化の最適化は,全光A/D変換の性能向上において重要である.そこで,光量子化の最適化に向けて,非線形効果と全光A/D変換の性能との関係を明らかにし,性能向上に向け光量子化に適したファイバの利用を検討した.その結果,新たに利用を検討したファイバを用いることで,これまでに比べ約5倍の分解能が得られることを実験的に確認した.さらに,異なるファイバの組み合わせによりさらに4倍の分解能向上が期待できることを数値計算により確認した.(雑誌論文1本,国内会議2本) 2.全光A/D変換の各分野への応用に向け,応用に適した信号出力を可能とする光符号化の検討を行った. (1)光通信における信号伝送への応用に向けて,光ディレイラインを用いた光符号化を提案し,入力アナログ信号に対応した40Gb/sのバイナリ信号が出力可能であることを実験的に確認した.(雑誌論文1本,国際会議1本) (2)フォトディテクタでの光信号受信実現に向けて,光インターコネクションを用いた光符号化を提案し,マルチビットのバイナリ信号をビットごとに出力可能であることを実験的に確認した.(国際会議2本)さらに,光通信における多重信号分離器としての応用を検討し,40Gb/sの信号に対するエラーフリー動作を確認した.(国際会議1本,国内会議1本) (3)全光A/D変換の分解能向上を目指し,自由空間光インターコネクションを用いた光符号化を提案し,約2倍の分解能向上が可能であることを実験的に確認した(国際会議1本,国内会議1本)
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