2007 Fiscal Year Annual Research Report
XAFS法を用いた局所構造解析による鉱物中の長寿命放射性核種の固定状態の調査
Project/Area Number |
06J08911
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仁谷 浩明 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 地層処分 / 構造解析 / X線吸収微細構造 / 高レベル放射性廃棄物 / 核種移行評価 |
Research Abstract |
本研究では、地層処分で問題となる核種の移行を評価するために、まずナチュラルアナログの考えに基づき、鉱物中でウランがどのような固定化状態で存在するかを明らかにすることを目標とし、XAFS法を用いて鉱物中のウラン元素の固定化状態の解析を試みた。試料にはオーストラリアのクンガラ鉱床で採取された含ウラン鉱物を用意し、比較対象として4種類の含ウラン鉱物、Coffinite、Nigyoite、Autunite、Tyuyamuniteおよび標準試料としてU_3O_8及びUO_2の測定も行った。これらの試料におけるウラン濃度は数百〜数千重量ppmであり、通常の解析手法では捉えることができないほど希薄であったが、高輝度放射光施設SPring-8のビームラインBL01B1において19素子SSDを用いることでこのような低濃度試料においても十分な強度のXAFS信号をとらえることに成功した。測定から得られたXAFSスペクトルを解析して得られた動径分布関数は各試料においてそれぞれ特徴的な形状をしており、これらの鉱物中におけるウランの固定化状態がそれぞれ異なることを確認した。また、クンガラ鉱床の鉱物のスペクトルはCoffiniteのものとよく一致しており、これらの試料中のウランは似通った固定化状態にあることが示唆された。このことから地層処分施設の人工バリア材料の開発においてCoffiniteをベースとした材料が有望であるとの結論を得た。
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Research Products
(1 results)