2006 Fiscal Year Annual Research Report
混合状態における量子計算アルゴリズムの理論的、数値的研究
Project/Area Number |
06J08962
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 暁 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子計算 / アルゴリズム / 量子アンサンブル |
Research Abstract |
まず、アンサンブル平均値測定を熱平衡下で利用したオラクル解探索について研究した論文[SK06-1]を発表した。この分野では、n量子ビット入力のオラクルが解を一つしか持たないときにこれを0(n)クエリーで見つけるというBruschweiler探索アルゴリズムが知られている。(ただし指数的に精密な観測が要求される。)私はこれを拡張し、解がr個あるときに、0(n×r)クエリーで全て発見するアルゴリズムを作成した。SK06-1ではさらにこのアルゴリズムを行列積状態展開(要するに密度行列繰り込み群)を利用したVidal法でシミュレートする手法も解説した。なお、このシミュレートされた拡張Bruschweiler探索を使って厳密3集合打問題(∈NP完全)を解くとインスタンスと計算資源の間にどのような関係があるかを現在調査中である[SK06-2]。 次に、NMR測定に適したエンタングルメント検出のための観測量の分解法[RSNK07]を研究し、発表した。この研究では、NMRで観測しやすいように、エンタングルメントウィットネス呼ばれる量を、各量子ビットの偏極演算子の線形結合の非局所的ユニタリー変換で表す方法を述べた。 また、エンタングルメント検出に使われる不完全正値写像(PnCP写像)の一つである占有数減衰写像を定義し、数理解析した[SR06]。 [SK06-1]A.SaiToh and M.Kitagawa, Phys.Rev.A 73,662332(2006). [SK06-2]A.SaiToh and M.Kitagawa, under reviewing in Proc.QCMC2006. [RSNK07]R.Rahimi, A.SaiToh, H.Nakahara, M.Kitagawa, Phys.Rev.A. 75,032317(2007). [SR06]A.SaiToh and R.Rahimi, Phys.Rev.A 74,064305(2006).
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Research Products
(3 results)