2006 Fiscal Year Annual Research Report
充填スクッテルダイト化合物の圧力誘起超伝導転移の機構解明
Project/Area Number |
06J08984
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 厚志 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 充填スクッテルダイト化合物 / 金属絶縁体転移 / 超高圧 / 交流比熱測定 / 量子相転移 |
Research Abstract |
本研究ではダイヤモンドアンビルセルを用いた10GPa以上の超高圧力下での物理量測定技術の開発により圧力誘起相転移の機構解明を目指す。 本年度は交流比熱測定法の開発を行った。150μm程度の微小な試料に複数の電極を取り付けることで、同じ試料、圧力下で電気抵抗と交流比熱を同時に測定することを可能にし、電子状態の圧力変化の詳細な研究が行えるようになった。現在まで、11GPaの超高圧力域、室温から50mK程度までの極低温域の広い圧力・温度範囲での測定を可能にした。これらの手法を用いて金属絶縁体(MI)転移を示す充填スクッテルダイト化合物PrRu_4P_<12>の圧力下での電子状態の変化について研究を行った。電気抵抗測定により、11GPa以上で金属絶縁体転移が抑制され室温から低温まで通常金属の振る舞いを示すことが見出された。磁気抵抗、交流比熱測定により、加圧に伴い低温での結晶場基底状態が変化することが分かった。これらは最近提唱された反強十六極子秩序の理論でよく説明でき、圧力下で十六極子モーメントの秩序化が抑えられ、MI転移が消失したと考えられる。これはPrRu_4P_<12>において反強十六極子秩序が実現していることを支持する結果であり、上記の実験手法により初めて明らかになった。他の充填スクッテルダイト化合物でも指摘されている多極子秩序の研究に貢献できる成果だといえる。他のCe系化合物においても同様の測定を行い、詳細な相図を熱力学量である比熱によって求められるようになり、理論的な研究にも繋がる期待が持てる。
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Research Products
(3 results)