2007 Fiscal Year Annual Research Report
充填スクッテルダイト化合物の圧力誘起超伝導転移の機構解明
Project/Area Number |
06J08984
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 厚志 Osaka University, 極限量子科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 充填スクッテルダイト化合物 / 超高圧 / 電気抵抗測定 / 交流比熱測定 / 熱膨張測定 |
Research Abstract |
本研究ではダイヤモンドアンビルセル、ピストンシリンダー型の圧力発生装置を用いた高圧力下物理量測定技術の開発によりスクッテルダイト化合物などの強相関電子系物質における圧力誘起相転移の機構解明を目指す。今までに圧力下での電気抵抗、比熱、熱膨張測定技術の開発を行い、以下のことが明らかになった。 微小な試料に複数の電極を取り付けることで、電気抵抗と交流比熱を同時に測定することに成功し、金属絶縁体(MI)転移を示す充填スクッテルダイト化合物PrRu_4P_<12>の圧力下での電子状態の変化について研究を行った。電気抵抗測定により、11GPa以上で金属絶縁体転移が抑制され室温から低温まで金属的な振る舞いを示すこと、磁気抵抗、交流比熱測定により、加圧に伴い低温での結晶場基底状態が変化することが分かった。これらは提唱されている反強十六極子秩序の理論でよく説明でき、圧力下で十六極子モーメントの秩序化が抑えられ、MI転移が消失したと考えられる。 歪みゲージとピストン・シリンダー型圧力発生装置を用いて圧力下での熱膨張測定開発を行った。測定精度の比較のため熱膨張がよく調べられている弱強磁性体MnSiの高圧力下での格子定数の温度依存性を測定した。過去の結果に比べて相転移に伴う熱膨張係数、格子定数の変化が小さいものの、転移温度、自発磁歪の圧力依存性はよい一致を示した。また加圧に伴い熱膨張係数異常が、非常にシャープなピーク状の異常を示すようになり、2次相転移から1次相転移に移り変わっていることを示す結果を得た。
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Research Products
(3 results)