2006 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高信頼光ネットワークにおける拡張性を考慮した資源の分散制御方式の提案と実装
Project/Area Number |
06J08995
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 晋哉 大阪大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 波長分割多重 / 波長ルーティングネットワーク / ソフトステート型シグナリング / 信頼性 / プロテクション / リストレーション |
Research Abstract |
本年度は、次世代インターネットの基幹網に求められる高速性・高信頼性・拡張性を兼ね備えた、波長分割多重技術に基づく大規模な波長ルーティングネットワークの実現に向けて、信頼性制御の分散化に取り組んだ。 波長ルーティングネットワークでは、ノードペア間の経路上にある光スイッチを切り換え、光パスと呼ばれる論理的な回線を設定して通信を行う。光スイッチを切り換えるために制御メッセージを送るためのプロトコルとしてRSVP-TEが標準化されているが、制御パラメータと資源の利用効率の関係は明らかでなかった。本年度の前半は、マルコフモデルによりRSVP-TEの動作を解析し、RSVP-TEで用いる制御パラメータ値の違いによる性能の変化や、制御メッセージをより確実に届けるための再送機能の効果を明らかにした。その結果、大規模なネットワークでは再送機能が資源の利用効率を悪化させる可能性を示した。 本年度の後半は、ある領域内における光スイッチの複数障害(面障害)に対する障害回復手法を提案した。面障害は地震や電力供給障害により発生する。面障害では予め障害回復用に設定したバックアップ光パスも切断される可能性があるため、障害発生後の光パス再設定による障害回復(リストレーション)が必須である。しかし、リストレーションでは障害発生後に大量の制御メッセージが送信され、輻輳を引き起こすため、資源の利用効率が低下する。提案手法は障害部分を囲い込む閉路を動的かつ局所的に構成し、その閉路に沿って切断された光パスを迂回させる。このとき迂回閉路を局所集中的に制御することで、制御メッセージ量を減らす。シミュレーション結果から、面障害の規模が大きくない場合は従来のリストレーション手法に比べて高速にほぼ全ての光パス接続を回復でき、面障害の規模が大きい場合は、従来手法に比べ、制御メッセージ量を半数程度までに減らせることが分かった。
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Research Products
(1 results)