2007 Fiscal Year Annual Research Report
頭部伝達関数の周波数特性解析に基づく臨場感向上と音源方向推定に関する研究
Project/Area Number |
06J09000
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 友哉 Osaka University, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 頭部伝達関数 / 立体音像定位 / 音源方向推定 |
Research Abstract |
本年度は以下の2つについて研究を行い,これまでの研究成果をまとめた. 1.話し言葉向け2チャネルマイクロホンアレイによる音源方向推定手法 小規模かつ高精度に音源方向推定が可能な手法が求められている.母音の調波構造を利用して2つのマイクロホンを用いた手法が提案されているが,母音だけでなく子音や無音空間が存在する実際の話し言葉を想定する場合には,音源方向の推定精度が落ちるという問題がある.そこで,本研究では,音源方向に用いるデータの中から調波構造を抽出する2つの手法について評価を行い,母音と子音の混じった音声における適切な音源方向推定手法を提案した.さらに高調波成分の大きさによる閾値処理によって,無音区間を除去することで,話し言葉向けにも高精度で音源方向を推定可能となる手法を提案した. 2.頭部近傍における立体音像定位の組込みシステム向け実装 音源までの距離が聴取者の頭部の大きさに対して無視できなくなるほど近くなる頭部近傍においては,特別な手法を用いて,音の距離感を再現しなければならない.さらに,組込みシステム向けアプリケーションにおいては,少ない計算資源で実現できる立体音像定位手法が求められている.そこで,本研究は昨年度に行った遠距離,および頭部近傍における頭部伝達関数の違いやその低演算量再現手法に関する考察を踏まえ,DSPを用いた組込みシステム実装を行った.さらに,再現する音源の種類や位置(距離,角度)の違いによる本手法の効果についての主観評価実験を行い,頭部近傍における距離感の向上について確認した. 以上,これまでの研究成果を博士論文としてまとめた.
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Research Products
(2 results)