2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノビーム誘起反応機構に基づいた新規微細加工プロセスの創製
Project/Area Number |
06J09038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 洋揮 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 新規微細加工 / 化学増幅型レジスト / レジストナノ形状(LER) / 次世代リソグラフィ / 酸拡散 / EUVレジスト / 反応機構 |
Research Abstract |
現在、半導体業界では、レジスト表面ナノ形状(LER)が重要な問題である。そこで、極性変化型化学増幅型レジストの保護基を変化させることでLERへの酸拡散とポリマー構造の効果について調べた。LERは酸拡散とともに減少した。酸拡散が短いときのLERは初期酸分布のずれに対応すると考えられる。またLERの線量依存性もみられたけれども、LERのポリマー依存性は観察されなかった。保護基の違いは酸拡散長の違いを導くので、その違いはLERの形成に影響を与えるはずである。しかしながら、もし同じ拡散長で比較するならば、LERが4nm以上ではLERのポリマー構造の効果は酸拡散の影響に比べて小さいということが明らかになった。 次に、レジスト性能を向上させるための一般的な方法の一つとして、ポリマーのハロゲン化がある。そこで、新規概念に基づく化学増幅型レジストを開発するために、フッ素系樹脂を用いて酸発生機構の詳細を調べた。ヘキサフルオロヒドロキシプロピル基で保護するにつれて酸収率が減少した。これは、通常、酸発生剤に捕捉される二次電子がフッ素原子に捕捉されてしまい、ヘキサフルオロスルホン酸の生成量が減少してしまったためであると考えられる。また、溶液中でのパルスラジオリシスの研究でヘキサフルオロヒドロキシプロピル基がTHF溶媒和電子と反応していることが明らかになった。さらに溶液中で得られた速度定数を用い、薄膜中での酸の減少量を見積もったところ、実験結果と良い一致を示した。 さらに、現在、次世代リソグラフィの光源としてEUVが期待されている。そこで、ポリスチレン誘導体を使ってEUV化学増幅型レジストの反応機構を調べた。EUV照射によって生成される酸収率のポリマー構造依存性が解明された。また、EUVレジストの反応機構は光レジストの反応機構よりも電子線レジストの反応機構に類似していることが明らかになった。
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