2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J09115
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植田 尚子 Osaka University, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | gp130 / IL-4 / NKT / 自己免疫疾患 / 自律的分裂 |
Research Abstract |
本研究室では、インターロイキン(IL)-6ファミリーサイトカインの細胞内シグナル伝達分子であるgp130の759番目のチロシンをフェニルアラニンに置換したノックインマウスであるgp130^<F759/F759>(F759)マウスを作製し、このマウスはSTAT3のリン酸化が亢進していること、さらに自己免疫性の関節炎を発症することを報告してきた(Atsumi, et. al. J. Exp. Med. 2002)。さらに私はこれまでに、ナチュラルキラーT(NKT)細胞を活性化させるとIL-4依存的にCD8+T細胞の自律的分裂が促進することを報告してきた(Ueda, et. al. Int. Immunol. 2006)。また、二重変異マウスの作製により、NKT細胞はF759マウスの関節炎を抑制していること、さらにはCD8+T細胞もF759マウスの関節炎を抑制していることが示唆されていたので、NKT細胞はIL-4を介してCD8+T細胞の自律的分裂を促進することでF759マウスの関節炎を抑制している可能性を考え、実験をおこなった。 はじめにIL-4ノックアウトF759二重変異マウスを作製し、関節炎発症の程度を調べた。その結果、関節炎が増悪するのではないかという予想に反して、コントロールF759マウスと比較してほとんど差は認められなかった。次に、F759マウスにαgalactosylceramide(αGC)を投与してNKT細胞を活性化させ、関節炎の発症について検討をおこなった。こちらの実験においても、予想に反して、NKT細胞を活性化させてもF759マウスの関節炎が抑制されることはなかった。以上の結果と、NKT細胞の存在しないF759マウスでは関節炎が増悪するという結果と合わせると、F759マウスの関節炎は定常状態のNKT細胞によってIL-4非依存的に抑制されていることが考えられる。
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Research Products
(4 results)