2007 Fiscal Year Annual Research Report
固体電解質膜反応器を用いた含窒素物質の反応化学的研究
Project/Area Number |
06J09145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
斉藤 誠 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 固体電解質 / 脱硝反応 |
Research Abstract |
平成19年度は、酸化物イオン導電体膜を用いた直接脱硝反応について研究を行った。 イットリア安定化ジルコニア(YSZ)膜に白金を担持したPt|YSZ|Pt膜に交流電圧を印加してNO除去反応を行い、その電圧特性、ならびに周波数依存性を評価することで、反応の律速過程について検討した。 その結果、反応後のガス中にはN_2OやNO_2などの窒素酸化物成分は含まれず、NOは選択的にN_2に還元除去されていることがわかった。印加する交流電圧の周波数を増加するとNOの除去率は急激に低下した。これは周波数が高くなることで正、あるいは負に帯電している時間が短くなり、YSZ表面に吸着したNO分子と負電位の印加によって形成された酸素空孔との反応が起こる前に電位が反転するためと考えられる。また、500℃から800℃までの各温度で直流電圧を印加した場合と、正負変調電圧を印加した場合を比較するとFig.4に示すように700,800℃の高温度域では直流電圧を印加した場合のほうがNOの除去率は高かったが、600℃以下の反応温度では表面に正負変調電圧を印加した場合のほうが高いNO除去率を示した。これは、直流電圧を印加した場合では解離したO^<2->イオンが膜内を伝導して吸着した面の反対側まで移動する必要があるのに比べ、表面に印加する電圧を変調させた場合では膜内に取り込まれたO^<2->イオンは同じ面から放出されるためO^<2->イオン伝導度低下の影響をあまり受けないためだと考えられ、反応律速過程がNO分子からのO原子の引き抜きだけではなく、O^<2->イオンの膜内伝導も寄与していることが示唆される。
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