2006 Fiscal Year Annual Research Report
低毒性の半導体量子ドット蛍光体の合成と高輝度フルカラー発光デバイスの作製
Project/Area Number |
06J09155
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野瀬 勝弘 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | CuInSe_2 / CuInS_2 / 量子ドット / コア / シェル型ナノ結晶 / エレクトロスプレー |
Research Abstract |
研究目的:(1)ホットソープ法によりCuInSe_2およびCuInS_2量子ドットを合成し、光学的性質を調べる。(2)CuInS_2/ZnSおよびCuInSe_2/ZnSeコア/シェル型量子ドットを合成し、光学的性質の変化を調べる。(3)発光デバイスの作製に向けたエレクトロスプレーによる半導体量子ドットの成膜とその条件の検討。 研究方法:(1)原料物質や、それらを溶解させるボスフィンやアミンなどの錯体形成剤の組み合わせを変えて、CuInS_2、CuInSe_2量子ドットが生成する反応溶液を探索した。光学的性質を蛍光発光スペクトルにより調べた。(2)ZnSe、 ZnSが生成するように調製された被覆用原料溶液中にCuInSe_2、CuInS_2量子ドットを分散した溶液からCuInSe_2/ZnSe、 CuInS_2/ZnSコア/シェル型ナノ結晶の合成を試みた。(3)エレクトロスプレー装置を用いて、先行開発したZn-Cu-In-S系混晶型ナノ結晶からなる薄膜の成膜を試みた。エレクトロスプレー装置のジェット噴出部のニードルに印加する電圧と溶液の流量、及び量子ドットの表面キャッピング剤を変えて成膜条件を検討した。 研究成果:(1)ヨウ化銅と塩化インジウムには、亜リン酸トリオクチル、セレンにはトリ-n-オクチルボスフィン、硫黄には亜リン酸トリフェニルをそれぞれ錯体形成剤に使用した各元素の原料溶液を用いた場合に、結晶サイズ1.5〜4nmのCuInSe_2および5nmのCuInS_2が得られた。CuInSe_2では結晶サイズに依存した発光波長のシフトが観察されたが、得られた発光は欠陥に起因したものと推察される。(2)コア/シェル複合化によって発光波長の短波長化が見られたことから、コア・シェル界面での混晶が生じていると考えられる。(3)エレクトロスプレーによりガラス基板上へZn-Cu-In-S量子ドットを成膜した。キャッピング剤の交換により膜質が改善された。
|