2006 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸由来配位子の脂質膜界面における超分子構造制御と人工酵素リポソームへの応用
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06J09183
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
安原 主馬 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脂質二分子膜 / 脂質ラフト / 人工酵素 / 光応答 / ジャイアントベシクル / コレステロール / アミノ酸 / 人工レセプター |
Research Abstract |
本研究では、アミノ酸部位を組み込んだ合成ペプチド脂質が形成する脂質二分子膜ベシクル(リポソーム)の膜界面の特性を利用して、分子認識を組み合わせた人工の酵素反応システムを構築することを目的として研究を推進し、今年度は以下の研究成果を得た。 酵素機能を制御する人工レセプターの合成 人工酵素リポソームの設計においては、多様な外部刺激に応答した酵素機能発現の制御が重要である。また、天然の細胞膜上では、脂質ラフトと呼ばれる脂質膜上の超分子構造の形成が酵素活性の制御に関与していることが指摘されている。そこで本研究では、人工脂質ラフトと見なすことができる脂質二分子膜上相分離構造の光を刺激とした制御を目的として新規人工レセプターを合成した。具体的には、光応答性アミノ酸およびそのコレステロールとの誘導体の合成を行った。また加えて、脂質膜上における超分子構造である脂質ラフトの形成を評価できるアミノ酸誘導体プローブの新規合成も行った。 人工レセプターのリポソームへの組織化と超分子構造の制御 先に挙げた人工レセプター分子を組み込んだ脂質膜のラフト形成挙動および光応答性について評価を行った。具体的には、非イオン性界面活性剤不溶画分(DRM)の形成評価および特定の相に分配される蛍光プローブを用いて蛍光顕微鏡によるジャイアントベシクルの直接観察を行った。その結果、合成した人工レセプター分子を用いることで脂質二分子膜上の脂質ラフト構造の形成および形態を光照射によって制御可能であることを見出した。
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