2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸由来配位子の脂質膜界面における超分子構造制御と人工酵素リポソームへの応用
Project/Area Number |
06J09183
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
安原 主馬 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脂質二分子膜 / 脂質ラフト / 人工酵素 / 光応答 / ジャイアントベシクル / コレステロール / アミノ酸 / 人工レセプター |
Research Abstract |
本研究では、アミノ酸部位を組み込んだ合成ペプチド脂質および天然リン脂質が形成する脂質二分子膜ベシクル(リポソーム)の膜界面の特性を利用して、分子認識を組み合わせた人工の酵素反応システムを構築することを目的として研究を推進し、今年度は以下の研究成果を得た。 ・脂質膜界面における分子認識能の評価 生体システムにおいて、脂質膜界面と生理活性分子の相互作用は分子認識の観点からも興味深い挙動であり、特に脂質膜の持つヘテロ構造の影響について基礎的検討を行った。ここでは、昨年度合成を行った光応答性レセプター分子を用いて脂質膜界面の超分子構造である脂質ラフト構造の光制御および膜物性に与える影響につい評価した。光応答性レセプター分子は、紫外光および可視光照射によって分子のコンフォメーションが変化するよう設計した。ジャイアントベシクル上に構成された脂質ラフトは、光応答性レセプター分子の光照射による構造変化を認識し、離合集散をすることが確認された。 ・脂質膜界面における酵素機能の評価 本検討では、酵素および酵素モデルとしての両親媒性ポリマー分子と脂質膜との相互作用について考察し、膜界面における酵素反応の特徴を検討した。膜作用性タンパク質の構造を模倣した両親媒性ポリマーは、ポリマー分子自身の構造の差異にのみでなく、脂質組成の違いによっても脂質2分子膜との相互作用形態が異なることが明らかとなった。また加えて、ヘテロな反応場としての脂質ラフト構造を有する脂質膜界面を微視的粘性の違いにより評価する蛍光プローブを合成し、蛍光分光法による評価および蛍光顕微鏡を用いた脂質膜構造の可視化に付いての検討を行った。
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