2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシン5のATP加水分解と変位発生を同時に計測することで運動モデル構築を行う
Project/Area Number |
06J09197
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小森 智貴 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | モータータンパク質 / ミオシン / ATP加水分解 / ケモメカニカルカップリング |
Research Abstract |
ミオシシに代表されるモータータンパク質はATP加水分解の化学エネルギーをアクチンフィラメント上における変位発生という力学エネルギーに変換する。ミオシンの1種であるミオシン5はアクチンフィラメント上で連続した変位を生み出すプロセッシブ運動と呼ばれる運動を示す。国内外の様々な研究グループによりプロセッシブ運動に関して様々な運動モデルが提唱されている。しかしながら、これら全てはミオシン5の変位発生にのみ基づいて提唱された運動モデルでおるために、ミオシン5のプロセッシブ運動に伴うATP加水分解と変位発生の対応関係は依然として不明瞭なままである。そこで私はミオシン5のATP加水分解と変位発生を同時に計測することによりATP加水分解という新たな視点に基づいてミオシン5の運動モデル構築を目指している。 平成19年度の研究においては、平成18年度の研究で構築した実験系を用いて、ミオシン5の変位発生とATP加水分解の同時計測を遂行した。本成果により、加水分解したADPを変位発生後に数十ミリ秒の時間遅れを持ってミオシン5が放出することを直接的な計測結果に基づいて明らかにした。連続した変位を生み出すことが出来ない分子モーターと異なり、安定してアクチンフィラメント上で連続した変位をミオシン5が生み出す機構の一端を本研究成果は合理的に説明することができる。また、変位発生に関係した化学反応の存在を示唆する結果も得られている。今後はさらに解析及び新規研究を行うことで、ミオシン5の化学-力学反応カップリングの解明を試みる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Book] Single Molecule Techniques2007
Author(s)
S. Nishikawa, T. Komori, T. Ariga, T. Okada, M. Morimatsu, Y. Ishii and T. Yanagida
Total Pages
22
Publisher
Cold Spring Harbor Laboratory Press