2006 Fiscal Year Annual Research Report
RNAウイルス感染時におけるI型インターフェロン産生機構の解明。
Project/Area Number |
06J09209
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 博己 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RIG-I / MDA5 / IFN / RNA virus |
Research Abstract |
最近、RNAiによりRIG-IもしくはMDA5の発現を抑制すると、RNAウイルスであるVSVやEMCVに対する抵抗性が下がることが報告された。このことから、RIG-IとMDA5は同じ二本鎖RNAをリガンドとし、各々が同程度にウイルス感染時のIFN産生に寄与することが示唆された。ところが、作製したRIG-IおよびMDA5各遺伝子の欠損線維芽細胞を用いた解析から新たな一面が明らかとなった。VSV感染時におけるI型IFNの発現誘導が、RIG-I欠損線維芽細胞では野生型と比べ著しく減弱しる一方、MDA5欠損線維芽細胞では野生型と同程度の誘導が認められた。一方、EMCV感染時におけるI型IFNの発現誘導が、MDA5欠損線維芽細胞では野生型と比べ著しく減弱する一方、RIG-I欠損線維芽細胞では野生型と同程度の誘導が認められた。さらに実際の感染において、RIG-I欠損マウスは野生型と比してVSV感染には弱く、EMCV感染に対して同程度の抵抗性を示し、一方MDA5欠損マウスは野生型と比してEMCV感染には弱く、VSV感染に対して同程度の抵抗性を示した。このことから、RIG-IはVSVを、MDA5はEMCVをそれぞれ特異的に認識しI型IFNの発現を誘導することが示唆された。VSVだけでなくJEV、 SEV、 InfluenzaはRIG-I、 EMCVだけでなくTheiler's virusやMengovirusはMDA5に主に認識されることも明らかとした。このように当研究によって、RIG-IとMDA5が認識するウイルスが異なり、さらに認識するリガンドの違いに起因することが示唆された。
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Research Products
(5 results)