2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の物質生産機能を制御したボトムアップ型ハニカム3次元構造体の構築と機能化
Project/Area Number |
06J09308
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠井 稚子 Kyushu University, バイオアーキテクチャーセンター, 特別研究員(PD)
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Keywords | セルロース / マイクロバイアルセルロース / 人工細胞壁 / 酢酸菌 / ハニカムバターン / 自己組織化 / ナノファイバー |
Research Abstract |
19年度では、微生物や植物細胞の持つ繊維生産能を利用し、ハニカム型セルロース薄膜(ハニカム膜)をボトムアップ的に3次元化することによる人工細胞壁の創製を試みた。 植物細胞から調製したプロトプラストをハニカム孔中で培養して"たて方向"に細胞分裂させ、同時にハニカム骨格上に細胞壁を形成させることができれば、人工的に細胞壁が構築されたことになる。18年度では、通常振とう培養されるタバコ培養細胞BY-2のプロトプラストの培養を静置で行う方法について検討を行い、結果として一週間以上静置状態で生存させることを可能にした。今年度は、ハニカム膜上でのプロトプラストの培養を試みたところ、プロトプラストを薄膜上で一週間以上静置培養できた。また、細胞壁形成させるために重要なプロトプラストの分裂を、薄膜上で確認することができた。しかし、ハニカム孔中で分裂しているプロトプラストは未だ観察されていない。これは、プロトプラストをハニカムの孔中にとどめておくのに、ハニカム骨格の高さが低すぎるためと考えられた。そこで、セルロースナノファイバーを菌体外に産生する酢酸菌をハニカム膜上で培養し、ハニカム骨格の上にそのナノファイバーを分泌、堆積させ、3次元化させることで、骨格そのものをある程度の高さまで高くした。これをテンプレートとして用いることでプロトプラストを孔中に固定することを現在検討している。なお、これまでのハニカム膜上での酢酸菌の培養条件の検討により、骨格の高さを1.2μmまで高くすることができるようになっている。このように、酢酸菌のファイバー選択堆積によって3次元化させたハニカム孔中で、プロトプラストの培養、分裂が可能かどうかを試みている。
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Research Products
(5 results)