2006 Fiscal Year Annual Research Report
スター型金属/半導体ナノ接合粒子の精密合成と光エネルギー増幅システムの構築
Project/Area Number |
06J09424
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
副島 哲朗 九州大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 金ナノシート / 光還元 / エッチング |
Research Abstract |
スター型ナノ接合粒子の合成において,金ナノ粒子担持TiO_2微粒子をCTAB(cetyltdmethylammonium bromide)とクエン酸の溶解した水溶液に分散・還元を行う過程で,担持金ナノ粒子の溶出と再担持という現象が進行することがわかった.これらのメカニズムを明らかにし,スター型への成長に関する知見を得る目的で,Br^-共存下における金単独での結晶成長について検討した. 保護剤および還元剤となるPVP(poly(vinylpyrrolidone))とNaBrの溶解した金錯体水溶液について,金結晶の超高圧水銀灯による光析出を行った.その結果,AuCl_4^-錯体を前躯体とすることで,これまで報告例がほとんど無い,九角形や十二角形を始めとする多角形金ナノシートが得られた.一方,Au(OH)_4錯体を前躯体とした場合,液相のバルク合成でありながら,数〜数10Å(金原子に換算すると4〜10個程度)という極微の裂け目を有する花冠状金ナノシートが得られた.さらに,実験条件により,裂け目が多数存在するフラクタルな花冠状金ナノシートが得られた.また,この花冠状金ナノシートを室温で静置しておくことで表面金結晶の再構成が進行し,裂け目が埋まる結果,10nm以下の微小なナノホールを有する厚み約20nmの金ナノシートが得られた.この花冠状金ナノシートの形成メカニズムについて検討したところ,溶存酸素による配位不飽和な表面金結晶の酸化溶解の後,生成した裂け目に存在する表面金原子へBr^-が吸着・保護することで,数原子という裂け目構造を安定に形成・保持できていることがわかった.
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Research Products
(2 results)