2007 Fiscal Year Annual Research Report
スター型金属/半導体ナノ接合粒子の精密合成と光エネルギー増幅システムの構築
Project/Area Number |
06J09424
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
副島 哲朗 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 金属 / 半導体 / 触媒 / ナノ材料 |
Research Abstract |
アメリカ合衆国・カリフォルニア大学バークレー校のPeidong Yang研究室において、金属-金属酸化物半導体ナノ接合体の合成に関する研究を行った。具体的には、まず10nm程度のサイズを有する酸化チタン(TiO_2)ナノロッドや酸化セリウム(CeO_2)ナノキューブといった金属酸化物半導体をNon hydrolytic法によって合成した。これらを洗浄後、tolueneや1-octadeceneなどの有機溶媒に分散させ、安定なコロイド溶液として得た。この溶液と、あらかじめ同じ有機溶媒に溶解しておいた塩化金酸や硝酸銀の溶液を混合し、TiO_2系においては紫外光を照射することによって、CeO_2系においては加熱することによって金属イオンを還元した。その結果、TiO_2ナノロッドの先端部分に金ナノ粒子を、CeO_2ナノキューブの側面にのみ銀ナノ粒子を位置選択的に担持させることに成功した。 このような異方的な構造を有する材料のナノ接合については、主に光学系材料として使用されるカルコゲナイド系半導体についてTaleb Mokariらによって一般的に利用できる手法がすでに見出されているが、金属酸化物については数報しか報告例がなかった。得られたナノ接合材料は、担持金属ナノ粒子すべてが同じナノ接合界面を有している。これら接合界面によって金属触媒の選択性が大きく変化することは良く知られているが、既存の金属触媒では担体である金属酸化物が様々な結晶面をその表面に持ち、担持金属はそれぞれ異なった結晶面上に成長するために、金属触媒1粒子上に複数の接合界面が存在していた。一方、今回得られた材料は全ての粒子について1つの接合界面しか有していないことから、金属触媒として非常に高い選択性を示すものと期待できる。
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