2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体と類似の毛細血管網を有する再生医療用移植臓器構築手法の開発
Project/Area Number |
06J09432
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武井 孝行 Kagoshima University, 工学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 毛細血管網 / Tissue engineering / マイクロカプセル |
Research Abstract |
【研究背景および目的】申請者は前年度までに、血流に耐え得うる強度を有した血管ネットワークを構築し、さらに肝細胞と共培養することによって、生体肝臓と類似の構造を有する肝組織体を創成することに成功している。一方、この組織体を生体内で生着させるためには、移植後、早期に肝組織体の成熟化を達成する必要がある。以上のような背景から本年度は、移植肝組織体の成熟化を促進する作用を持つ細胞増殖因子の徐放担体の開発を目的とした。 【得られた成果】徐放担体材料として、高い生体適合性を有するアルギン酸ナトリウムおよびキトサンを用いた。W/O/Wエマルション法を用いることで、アルギン酸-キトサンマイクロカプセルを作製することに成功した。また、そのカプセルの外表面に高い生体適合性を有するペクチンを静電的に結合させることによって、マイクロカプセル内に固定化したモデルタンパク質である牛血清アルブミンの徐放速度を制御することが可能であった。牛血清アルブミンの代わりに細胞増殖因子を用いた場合においても、ペクチンの付与により、その徐放速度を制御することが可能であることを示唆する結果が得られた。また、遺伝子組み換え技術により創製した細胞増殖因子の放出能を有する微生物を内包したカプセルも細胞増殖因子の徐放担体として有用である。そこで上記微生物のモデルである乳酸菌を包括したアルギン酸カプセルを作製し、菌の生存率および活性を調べた。その結果、乳酸菌はカプセル化後も高い生存率および活性を示しており、上記カプセルが細胞増殖因子放出能を有するカプセルとして有用であることが示された。
|
Research Products
(4 results)